写真は今年2月にフランス・ロワールで行われたワインサロンでのラ・ボエム夫妻の2ショットです♪
このサロンは「レ・アノニム」出展メンバーのベテラン勢が、年々手狭になっているアノニムのスペースを若手に譲るべく企画し、今回初開催となりました。(ベテラン勢は粋です♪)
会場は「レ・ヴィーニュ・ド・ババス」のドメーヌで、出展ヴィニョロン15社の小規模開催となり、
弊社取り扱い生産者はラ・ボエムのみでしたが、完全予約制のサロンでビジターに制限があったため、
他の生産者も含めてワインの試飲だけではなくしっかりコミュニケーションを取ることができました。
近年はビジターの増加により思うような商談ができない中、今回はサロンの醍醐味をあらためて実感。
「サロンはやっぱりこの距離感だよなぁ」と、昔を懐かしみつつ充実した時間となりました。
写真のように奥さんのジュスティーヌは、ラ・ボエムのマダムとしてすっかり馴染み、親しまれています。
1児の母ですが、現在は書類業務からクライアント対応、今回のように試飲会のサポートなど多忙なパトリックを支え、今やドメーヌに欠かせない存在となっています。
ちなみにジュスティーヌのお父様は画家で、頻繁に東京の画廊で個展を開催していることもあって、彼女も度々来日しており、日本にとっても愛着を持っています♪(これは我々にとっても大きなプラスです♪)
さて今回はドメーヌ3種、ネゴス3種、合計6種類リリースとなります。
近年オーヴェルニュにおいても遅霜のリスクが高まりつつありますが、それ以前にオーヴェルニュは通年雨が少なく乾燥しており、また夏季は雹害や雷雨が起こりやすい起伏の激しい天候のため、やはりコンスタントに収量を得ることはとても困難な産地のようです。(加えて鳥やスズキの被害も起こります‥)
ドメーヌは極少量ずつではありますが、久しぶりに3種まとまってリリース♪今後も極少量~少量リリースが予測されますが、ドメーヌはやはり貫禄と華やかさ、そしてエネルギーの集中が別格です!未来に向けて手元で熟成させたくなるような美味しさに、思わずニンマリ顔です☆
なお、今後もドメーヌ(自社ブドウ100%)としてリリースされるのは「ザ・ブラン」「ヴィオレット」「ルル」「カイウー」「ラ・ボエム」のお馴染みのラインナップになるようです。
一方ネゴスはドメーヌの収量不足を補うべく2013年に開始し、これまでも様々なワインを世に送り出してきましたが、近年はジュスティーヌの献身的な業務サポートにより、パトリックの活動がよりスムーズになったことで、年を重ねるごとにワインのレベルが上がってきていると感じています。毎年同じ生産者から買っている訳ではありませんが、今後はある程度パターンを集約し、よりドメーヌ・スタイルに近づけていく構想があるようです。
また今回初リリースされる「Super B(スーパー・ボジョレー!)」や今後リリースされる「サヴォワ」「ロワール」など、企画段階でオーヴェルニュ以外のブドウを使うネゴスについては、Super Bと同じパトリックの友人であるイギリスのアーティストによるラベルデザインでリリースされます。※ボトル画像ご参照ください(左上) https://vinscoeur.co.jp/bottle/
またジュスティーヌのお父様デザインによる「モル」「シムサピ」については、今後も同ラベルを継続していくようです。
独自のセンスで進化を続けるパトリックのワイン。
ラ・ボエムのワインには、飲み手を笑顔に変える魔法のような光が散りばめられています!
揺るぎないドメーヌと技のネゴス。宝箱のようなラ・ボエムのワインをぜひお楽しみください☆
■ドメーヌ・オヤマダ 紹介 P25■
■Natural Wine P95~99■
フォン・シプレ・ジェー18/ドメーヌ・フォン・シプレ
ミュスカ・セック・デ・ルマニス18/ル・プティ・ドメーヌ・ド・ジミオ
ル・プティ・ロゼ・ド・ジミオ18/ル・プティ・ドメーヌ・ド・ジミオ
ご紹介者様:とどろき酒店様
■Extra Edition P102~104■
ラ・ヴァルス18/ローラン・サイヤール
ご紹介者様:亀屋商店様
リヴ・ドロワット クロ・ベル・クロワ16/レイナルド・エオレ
ご紹介者様:久本酒店様
写真はレ・ボンヌ・ブランシュの対岸に位置するアンジュ・ノワール (Anjou Noir)と呼ばれる、黒いシストが剥き出しの岩山です。
アンジュ地方のテロワールには「アンジュ・ノワール」 と「アンジュ・ブラン」の 2 種類 があり、ノルマンディーに水源のあるサルト川(アンジェ北部でロワール川と合流し、その数キロ先でマイエンヌ川と合流しメーヌ川となり、再びロワール川本流に注ぐ)に沿って(左)にアンジュ・ノワール、(右)にアンジュ・ブランの土壌は位置し、またアンジェ市街南部も同様にレイヨン川に沿って、おおまかに左右に分かれています。
アンジュ・ノワールは、母岩が大西洋側アルモリカ山塊のシスト土壌、その中でも火成岩のシストが長い年月をかけ熱と圧力により変成作用を受けた黒色片岩(黒シスト)で構成されているため、 出来上がるワインは骨格のある力強いミネラルが特徴となります。
一方、アンジュ・ブランはソーミュールなどで、パリ盆地最西端の石灰質土壌で構成され、ミネラルの質もアンジュ・ノワー ルに比べると繊細な特徴となります。
モスの畑は全て アンジュ・ノワールに属し、あとは表層の土壌の性質によ って、いくつかのキュヴェに分かれて造られています。
◎レ・ボンヌ・ブランシュ
表層の粘土が浅く、ブドウの根が直ぐに母 岩届くため、出来上がるワインはシストの影響をダイレクトに受けやすい。ワインの特徴としては、粘土がふくよかな果実味、母岩が筋肉質な骨格を与える。暑いミレジムでも、骨格のあるミネラルのおかげで、アルコールの重たさを感じさせない。
◎サヴニエール・アレナ
上記産地から北に10キロ、ロワール川の岸から150mほど、一番標高の高い場所に位置し、父ルネが異なるテロワールを求めて2002年に植樹。他の畑とは表層が大きく異なり、風化してできた砂の風成砂丘土壌で水はけが良い。また表層は1mもない。特徴としてはミネラリーで、砂地がエレガントな果実味、母岩が筋肉質な骨格を与える。
◎ル・ルシュフェール&マリー・べナール
レ・ボンヌ・ブランシュよりも少し高い丘に面した場所にあり、表層は鉄分を多く含んだ粘土質が分厚く、石英(クオーツ)が混じる。ワインの特徴は、粘土がふくよかさ果実味とボリューム、石英がアロマティックな香りや繊細なミネラルを与える。マリー・べナールは樹齢が高く根が深いため、さらにそこに母岩のシストから来る筋肉質な骨格が加わる。
それぞれ柑橘や白い花のニュアンス、丸みのあるテクスチャと鉱物的なストラクチャが特徴となり、近しい構成となっていますが、エキスの集中力と活力にはっきり違いが表れており、とても興味深いです。
ぜひ今回リリースの2018年で味わいの違いを感じてください♪
なお樹齢77年のマリー・ベナールは今回2015年がリリースとなります!
その他今回モス初となるマセラシオンの「オーフェルマルス」、グロローノワール50%、グロローグリ30%、ガメイ20%の今までないタイプの軽快な赤ワイン「ル・グロ」が初リリースです☆
ロゼ泡のムサムセット、シュナン、カベルネの新ヴィンテージもお見逃しなく~!
アニエス&ルネのエスプリ、そして2人が築いた揺るぎないアンジュのテロワールワイン。
それをベースにジョゼフ&シルヴェストルの新たなチャレンジによってモスのワインは変化を遂げています!
新たに植樹したサヴァニャンやネゴスのチャレンジはワインの見識と可能性を広げ、また2021年完成予定の新カーヴでは、ドメーヌワインの質を更に高めるため長期熟成にシフトするなどの構想があるようです。
彼らの新たな感性が更に凝縮された、モスの未来が楽しみでなりません!
ジョゼフ&シルヴェストルによる「新生ドメーヌ・モス」に今後もぜひご注目ください~!
ドメーヌ・ポンコツが、今年も3月上旬にリリースされます!
今回リリースのトピックスは、初リリースとなるN・Gノンガス2019!
本来巨峰主体のスパークリングの「おやすみなさい」となる予定でしたが、発酵が止まってしまい、ロゼワインとしてのリリースとなりました。
「泡なし=N・Gノンガス」という、ストレートで、少し自虐的なネーミングがなんとも松岡氏らしいです(笑)
ちなみにラベルの猫は松岡氏の愛猫のような、でも少し違うような、「そもそもなぜ猫なのか?」はデザイナーの方のみぞ知るとのことです。
ワインは予定外の結果となりましたが、味わいは上々の仕上がりで、巨峰 のジューシーでふんわり甘い果汁感にヴィニフェラ系 品種が複雑で奥行きを与 えています。
◎2/10時点、瓶内発酵無し
◎残糖3~4g/L
仮に再発酵した場合 2~3気圧の軽いペティアン程度のガス圧 になります。安全のため要冷蔵扱いでお 願いします
N・Gノンガスはあくまでイレギュラーで、「おやすみなさい」としてのリリースを念頭に醸造しているため、今回が最初で最後になる可能性が高いです。(そう願いたい気持ちもあります)
とはいえ、N・Gノンガスの個性もとっても魅力的~♪
是非ご賞味下さいませ!
2020年2月に来日するドメーヌ・モスのシルヴェストル(左・次男)、アニエス(中央・母)、ジョゼフ(右・長男)のスリーショットです♪当主ルネはフランスでお留守番ですが、今回の来日では2014年からワイン造りを引き継いだ、2人の息子による現在、そして未来のドメーヌ・モスの魅力にフォーカスしていきます。
ドメーヌ・モスの軌跡
◎ルネ(アニエス)
トゥール市内でバーを兼ねたワインショップ を経営時取引先のワイン生産者に感化され、1993年にショップを閉めてヴィニョロン転⾝を決意!
1994年:アンボ ワーズの栽培醸造学校に通いワイン造りの基礎を学ぶ
※当時教壇に立っていたクリスチャン・ショサールとの交流がはじまる
1995年:学校を卒業し、ポワティエから 30 km北東にあるボセイ・シュール・クレーズ村にあるワイナリーに勤務
1996年:初めて ワインを仕込む
1997年:ブルゴーニュ研修
※フランソワ・ミクルスキ、ドミニク・ドゥラン、フレデリック・コサール等から精⼒的にワインを学ぶ
1999年:ジョー・ピトンが奨めてくれたサン・ランベール・デュ・ラティ村にあるドメーヌを引き取り、
妻のアニエスと2⼈でドメーヌ・モスを設立
2011年:縁が巡り巡ってヴァンクゥール取引開始
◇ルネのワイン造りのコンセプト
・きれいな完熟ブドウの収穫にこだわる(故にポテンシャルが高く、残糖が残りやすい)
・早飲みではなく熟成とともに真価が発揮されるワイン造り
・異なるシュナンブランのテロワールを極限まで引き出す
ルネとの最初の出会いは2003年に行われたピュズラ主催のプライベート試飲会でのこと。
当時からひときわ貫禄があり、チョイ悪・強面の印象で、話し掛けるがやっとな感じでした(笑)ただそれから会うたびに会話を交わすようになっていく中で、彼は決して曲者ではなく、チャーミングで暖かく、繊細な面を持った人柄であることが分かり、ワインは元より彼の人間性に惹かれ、次第にモスのワールドにのめり込んでいきました。出会いから取引に至るまで、今思えば必然的な流れだったように感じています。
ワインも彼らの人柄と同様に、一見すると鋭く力強い印象ですが、懐が深くじわじわ染み入るような味わいがあり、飲むごとに心地よく包まれていくような感覚があります。
◎長男ジョゼフ
1989年生まれ 30歳
2010年:パリのレストランDeux amisの立ち上げを手伝う。同時にモスの手伝いを開始
2014年:チリのワイナリーで研修後、モスの従業員となる
2018年:ドメーヌ・モスを引き続く
※2010年~2014年まで毎年ブルーノ・デュシェンで収穫を手伝う
◎次男シルヴェストル
1991年生まれ 28歳
2009年:高校卒業後にモスの手伝いを開始
2010年:ボーヌの職業高校で醸造栽培を学びながら、2年間シャソルネイで研修
2013年:イギリスのレストランで働いた後、モスの手伝いを再開
2015年:パリのシャトーブリアンで働いた後、モスの従業員となる
2018年:ドメーヌ・モスを引き続く
◇ジョゼフ&シルヴェストルのワイン造りのコンセプト
・ブドウの味わいで収穫日を判断(総じてルネよりも早い)
・ポテンシャルよりもエレガントで辛口な仕上がり
・早くから楽しめるが超熟にも耐えうるワイン
力強くエネルギッシュなワインを造るルネと、ピュアでしなやかなワインを造る息子たち。
現時点では早くから楽しめる気軽なワインになった印象ですが、
今後新カーヴ移転と同時にドメーヌはテロワールを引き出し、従来のピュアな仕上がりを目指しつつも熟成期間を長くすることでダイナミズムを備えたスタイルへとシフトし、一方ネゴスは品種の特徴を活かした造りを行っていくようです。
センスと感度抜群の2人が描くモスの未来が楽しみでなりません♪
なおワインは2月の来日にあわせ9種類リリース(初リリース2種含む)予定となっております。