写真は11月1日、朝7時の洗馬(赤)収穫前の一枚です。
例年では10月最終日曜日の収穫となりますが、今年はカレンダーのずれ込みで初の11月収穫となりました。
前日に初霜を観測し、収穫前に霜が降りたのは2015年以来2度目のこと。
絨毯のような野草は収穫当日も霜をまとい、朝日に照らされたブドウ畑のコントラストは、
まるで絵画のような美しさを醸し出しています。
洗馬の畑は昨年のような台風の影響はなく、10月の天候は特に安定していたのですが、
収量、糖度共にあともう一歩といったところだったようです。それでも年を重ねるごとに早生と晩生を分けて収穫・仕込みを行ったり、洗馬の中でも一番ポテンシャルが高い、通称「洗馬スリー」と呼ばれる3番目の区画の成長が随所に感じられたりと、今年も楽しみは尽きません。
収穫を終えた畑はブドウ樹の藁巻きと剪定の冬支度に入ります。
今年の冬はラニーニャ現象により特に冷え込む予報が出ていますが、洗馬のブドウたちにとっては絶好の休眠期となりそうです。
写真はジャン・フォワヤールのモルゴン・コルスレットの収穫風景です。
9/3日、朝7時から収穫を開始し、無事1日で終えたようです。
例年では9月10日頃に収穫開始となりますが、今年は8月25日フルーリー(毎年フルーリーが最初)、
8月27日ヌーヴォー、その後モルゴンへと続き、9月8日に収穫終了となりました。これは2003年に次ぐ歴代2番目に早い収穫だったようです。(ちなみに2003年は8月28日に収穫終了)
今年は日照りと猛暑によりブドウ畑は水不足の状態でしたが、収穫直前の8月21日にまとまった雨が降ったおかげで、ブドウは一気に水を吸い上げ、最終的に果汁の多いブドウを収穫することができました。
コルスレットのブドウも果汁がジューシーで酸もあり、また心配されたオイディオムもほとんど見られずキレイなブドウを収穫できたそうです。コルスレットの収量は35hL/haほどで例年並み、その他のクリュ・ボジョレーは35hL/ha~40hl/haと例年をやや上回る収量となりました。またヌーヴォーについては50hL/haと豊作だった昨年以上の収量に恵まれています!
さぁいよいよボジョレー・ヌーヴォー2020の解禁まであと1ヶ月となりました!
ここまで順調に進んでおり、現在は瓶詰め・出荷準備の最終段階に突入しております!
【醸造~味わい】
◎カリーム・ヴィオネ
最初収穫した時のアルコール度数は11.89%だったが、マセラシオン後のプレス時点では12.95%。
今年は酵母の働きが良く発酵は順調で、9月8日にアルコール発酵、マロラクティック発酵も終了。
ワインはイチゴやフランボワーズの香りが華やかで、色が濃くアルコール度数が高い割には、果実味がフレッシュでみずみずしく、とてもまろやか。優しい酸が効いてとても軽快な味わい。
◎ジャン・フォワヤール
醸造は仕込みに時間があったので、仕込みはモルゴンのように収穫したブドウを冷蔵庫で冷やし低温発酵。アルコール度数は12.5%~13%の間で、味わいは香り高く、キュートな酸もあり果実味がとてもジューシーでエレガント。
◎フレデリック・コサール&ケヴィン・デコンブ
通常マルシャンのブドウは粒が小さく熟しも遅いが、今年は収穫直前に雨が降ったこともありブドウが一気に膨らみ成熟した。粒が大きく果汁が多かったため、プリムールに最適と判断し、今年はマルシャンのブドウ100%使用。
今年は醸造期間に余裕があったので、タンクに冷却板を入れて温度を16℃に保ち低温発酵。
手元の計測ではアルコール度数は12.2%。味わいは酸がはっきりしていて果実味がみずみずしく清涼感がありとてもエレガント。ケヴィン自身「今までの中で一番理想的なヌーヴォー」と最大評価!
夏の昼夜の寒暖差により、ブドウはフェノールが良く熟しつつも十分酸の乗った、近年で最も理想的な状態で収穫されています!!思っていた以上にアルコールのボリュームはありそうですが、ハツラツとしたヌーヴォーらしい仕上がりが期待できそうです♪♪
11月19日の解禁まであと1ヶ月!
「2020年最初の美味しい!」をどうぞ楽しみにお待ちください~!
【臨場感のある現地の映像をぜひご覧ください!】
女が愉しむお酒とおつまみ (P179)
ジャン・フォワヤール/モルゴン・コート・デュ・ピィ2017
ご紹介者:平野由希子様
■日本ワイン ■
ドメーヌ・ポンコツ紹介 p41
■Natural Wine p75~79■
ランスミ・デュ・ヴィラージュ14/レイナルド・エオレ
ピエージュ・ア・フィーユ11/レ・カプリアード
ご紹介者様:若林康史様
■Extra Edition P89~90■
蔵・ブラン19/ピエール・オリヴィエ・ボノーム
ご紹介者様:田中照二様
スキン・コンタクト・ブドー16/シャソルネイ
スキン・コンタクト・ズィズィフレッド17/フレデリック・コサール
ご紹介者様:久保田雅秀様
お待たせいたしました!
ドメーヌ・ド・シャソルネイ&ネゴシアン・フレデリックコサールの新ヴィンテージ「2018年」がリリースとなります!
まず最初にこちらの写真を見ていただけるとお分かりになるかと思いますが、
ついに!コサールの「クヴェヴリ」がリリースとなります!!
※メインラベルは通常と同じで、こちらはバックラベルになります
きっかけは2017年冬に訪れたジョージアで出会った、驚くべきピュアなワイン。
予てから地球環境への考慮と、更なるテロワールワイン追及のため、樽以外の可能性を模索していた彼にとって、樽にマスクされずニュートラルなエキスを持つジョージア・ワインとの出会いは衝撃だったようです。その場でクヴェヴリの作り手に9.5hL~14hLサイズ(ブルゴーニュサイズの樽 4樽~6樽分)のステンレスの蓋がついた甕を10基オーダーするくらいですから、その感動の度合いが伺えます。
そしてこのクヴェヴリのためにすっぽり地中に埋まる盛り土と石積みの壁をわざわざカーヴ内に施しています。(容易に取り出すことはできません)
今回リリースされる樽熟成とクヴェヴリ熟成について、樽もクヴェヴリも同一のブドウで仕込まれており、白はプレス、デブルバージュ後、赤はマセラシオン、プレス後に、それぞれの容器に移され発酵・熟成が行われています。ジョージアにインスパイアされつつも、目指すのはクリアでエネルギッシュなヴァン・ヴィヴァン(生きてるワイン)であり、コサール流は発酵槽ではなくあくまで熟成容器としてのアプローチです。
半年ほど熟成が経過した昨年春のこと。この時の試飲でコサールは「クヴェヴリ熟成はエキスは瑞々しく滋味に溢れ、どこまでも伸びやか。その後に樽のワインを飲むとリッチで芳醇ではあるが、やはり樽香がブドウのピュアな果実感を妨げているように感じてしまう」とコメントしていました。従来の樽熟成において、たとえ新樽を使っていてもローストの香りは浅く、圧倒的なブドウ感が前面にありましたが、クヴェヴリのアロマはどこか奥ゆかしく、でもブドウのポテンシャルは樽以上にストレートに感じられると言うのです。
あれから1年半以上、ボトリングから半年経過した現在も両者のイメージは大きく変わらず、抜栓後短時間で豊かに開いていく樽熟に比べ、クヴェヴリは開けたてよりも数日経過後にエキスが混然一体となり、じっくりピークを迎え長く維持していく印象があります。樽熟とクヴェヴリの同じキュヴェを飲み比べてみると、その違いは実に分かりやすく、元が同じブドウであることに驚かされます。また抜栓のタイミングや温度、グラス選びなど、それぞれのワインがもつ特徴に合わせて味わいの引き出し方を変えてみるのも興味深いです。
2018年ヴィンテージはコサールの変革の年。
「脱樽熟成」に向けて、クヴェヴリを導入すると同時に新樽熟成を完全にやめ、加えて17hLサイズ(ブルゴーニュサイズの樽 7.5樽分)の卵型コンクリート(シリスが含まれている)タンクを導入しています。密閉性が高く、卵型によるディナミザシオンの効果があり、発酵中はガスを抜き、発酵後は酸化防止のためガスを足しコントロールができる優れもので、スキンコンタクトシリーズで使用される特注のステンレスタンクと同じような構造となっています。
※2019年ヴィンテージは引き続き古樽を使用していますが、2020年ヴィンテージからはほぼクヴェヴリと卵型タンク100%熟成となります
【2018ヴィンテージの特徴について】
〇気候
春は雨が多かったが、6月から一転乾燥した天気が8月まで続いた。
〇収量
乾燥により収量減を予想していたが、2017 年の秋の終わりから 2018 年春まで降った雨の貯蓄が地中にストックされていたおかげもあり、最終的には予想をかなり上回る収量を確保できた。
〇味わい
ドメーヌ白
アタックにブドウの熟度、ボリュームが感じられるが、中盤以降はソリッドな印象。
ドメーヌ赤
やや甘やかで野性味を感じる果実感。ボリュームはあるがタンニンは割と穏やか。
ネゴス白
ボリュームがありながらスムーズな飲み心地。酸はやや低めだが、ストラクチャーがある。
ネゴス赤
果実感は鮮やかでスムーズ。品格があり緻密な構成だが、若いうちから楽しめる。
弊社がシャソルネイ&コサールの取り扱いを始めてから10年。
コサールが挑むクヴェヴリ&卵型タンクは、テロワールの真の表現を追求する彼の独創性と本質が凝縮された「コサール・ワイン」の最終形態と言えるかもしれません。
シャソルネイ&コサールの新たな歴史のはじまりです!
どうぞご期待ください!!