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  • 今月の1枚(フランス/スペイン)
  • 2017.06.23
  • 《スペイン》 スパークリング新時代「Clàssic Penedès」!
  • 写真はスペイン・カタルーニャ地方「マス・ベルトラン」が所有するヴィエーユ・ヴィーニュのチャレッロの畑です。土壌は一見白く見えるため石灰質土壌かと思いきや、実際は砂まじりの粘土質。チャレッロはこの粘土質土壌と暑い気候に適しており、今回リリースの上級キュヴェ「アルジラ」はこの樹齢60年を超すチャレッロ100%で造られています。

    ※「アルジラ」はカタルーニャ語で「粘土質」の意味

     

    今回リリースの「アルジラ2011」は58ヶ月の瓶熟成を経てデゴルジュマンを行っており、チャレッロ特有の滋味あふれる渋みと、心地よいほろ苦味、はっきりとした酸、そして熟成感と繊細で深みのある泡の質感が見事に調和しています!穏やかなアタックから、集中力の高い味わいに引き込まれ、飲むごとに魅了されていきます♪

     

    一方の「バルマ2013」は32ヶ月熟成を経ており、その充実感、完成度は近年稀に見るレベル!芳醇な果実のアロマと香ばしい風味、骨格とスケールをもたらす、潮気を帯びたミネラリティ、熟成からくる旨味のまとまり。申し分ないです♪

     

    どちらもドザージュなしの辛口で、ブドウの風味、個性が冴え渡ります!

     

    さてバルマは今回から(アルジラはタイミングが間に合わず次回から)

     

    DO Penedès「Clàssic Penedès」としてリリースされることになりました。

     

    DOカヴァは従来地域ではなく「製造方法(泡)」に対する認証で、同じ醸造所で、DOカヴァで認定する品種以外のワインと、カヴァを一緒につくってはならならい条件があり、彼らは、土着品種で絶滅危機にある品種「スモイ」で2010年からロゼスパークリングを造り始めたため、これが抵触しDOカヴァが申請できなくなってしまいました。

     

    そのような変化の中で、より品質の高いスパークリングを造る生産者たちが相次いでDOカヴァを抜け、DOペネデスに呼称変更する流れが派生し、マス・ベルトランはより品質の高い泡造りを目指す他の生産者たちと共に働きかけたこともあって、2014年より、DOペネデスの中で新たなスパークリング認証「Clàssic Penedès」が誕生しました。

     

    「Clàssic Penedès」と記載できるには、基本の条件が3つ

     

    ①100%オーガニック
    農法までを条件にしているのは世界初!

     

    ②100%ペネデス地域のブドウを使用
    カヴァでは認められていない土着品種など使用可!

     

    ③瓶熟成期間が最低15ヶ月以上
    カヴァの9ヶ月以上より半年長い、最低15ヶ月以上!

     

    彼らが選んだ、クオリティへの信念と土着品種回帰を形にした「Clàssic Penedès」が、今後のスペイン・スパークリングの道を切り開くと信じて疑いません!

     

    (その意識は他国にも影響を及ぼすことでしょう)

     

    スペイン・スパークリング新時代の幕開けを、今回のマス・ベルトランで

     

    ぜひ実感してくださいませ~!

  • 今月の1枚(フランス/スペイン)
  • 2017.05.16
  • 《ロワール》 遂にパスカル(左)&モーズ(右)がやってくる!!
  • 2003年1月。

    すべてはドメーヌ・デ・ボワルカの新井順子さんとの出会いから

    ヴァンクゥールのストーリーは始まります。

     

    私はそこで当時ボワルカの醸造責任者であったパスカル・ポテールと共に働かせていただくご縁をいただきました。右も左も分からず飛び込んだワイン造りの世界、フランス語もままならない自分でしたが、パスカルはそんな自分をまるで即戦力のように必要としてくれて、そのことがたまらなく嬉しくて、自分はその期待に応えたい一心でひたすら働らきました。

     

    自然と対峙するパスカルの穏やかさと強さに見守られ、一歩ずつ、少しずつ、できることが増えていく喜びをかみしめ、心地よいプレッシャーと責任とともに、また一つ学んで積み上げていく感覚。すべてが充実し満ち足りた時間でした。

     

    ほぼ時同じくして、ヴァンクゥールの創業メンバー4人は出会います。

     

    パスカルはヴァンクゥールがその運命的な出会いを果たす、ルーツを知る数少ない生産者です。いや仮にパスカルと出会うことがなければ、このストーリーすら存在しなかったのかもしれません。パスカルはそれだけ自分たちの人生に深く作用した、掛け替えのない生産者なのです。

     

    パスカルと出会ってから早十数年。2005年のドメーヌ独立から、現在はスティルワインの生産をやめ、自身のヴィニョロン人生を「泡のあるワインの世界」に見出し、共同経営者でコマーシャル担当のモーズとともに、まだペティアン・ナチュレルでは主流ではないメトード・アンセストラル製法で、「新次元・最高峰」のクオリティを目指しています。

     

    その圧倒的な仕事により「テロワール」「洗練」「キメの細かい泡立ち」「熟成」のすべての要素が、ペティアン・ナチュレルとしては規格外のレベルで表現されています。彼らの行き着くところ、魂が揺さぶられるような感動の「泡のヴァンナチュール」を、スティルワインと同じように造りたいのです。スティルワインと同様に、その年のブドウの状態がすべてではありますが、年を重ねるごとに着実に精度は上がっていることが今回のリリースからも実感していただけるかと思います。

     

    先駆者クリスチャン・ショサールのペティアン・ナチュレルに磨きをかけた、
    メトード・アンセストラル製法から生れる、
    新次元のペティアン・ナチュレルここにあり!!

     

    いざ「レ・カプリアード」来日です!!

     

    パスカル&モーズの来日直前メッセージ、ぜひご覧くださいませ♪

     

    今もこうして彼らと繋がり、仕事をさせていただけていることに、

    最大限の喜びと感謝の思いを込めて・・

    日本市場のヴァンナチュールの繫栄を、自分たちの今を、彼らに伝えたい。

  • 今月の1枚(フランス/スペイン)
  • 2017.04.20
  • 《オーヴェルニュ》 ROCK’N’ROLL! NO CONTROL!
  • つぶらな瞳で、優しい笑顔が印象的な、「ノーコントロール」のヴァンサン・マリー。しかし腕には立派なタトゥー、耳には三連ピアス、そう、ヴァンサン・マリーはロックをこよなく愛するヴィニョロンなんです♪

     

    ※写真のポスターには「ROCK’N’ROLL! SAVE YOUR SOUL」の文字が!

     

    そんなロック命のヴァンサン・マリーですが、根はものすごく真面目で、努力家。ヴィニョロン同士の飲み会でも深酒することなく、明日に備えて睡眠を取る「コントロール」の利くタイプなんです。点在する5haの畑をほぼ一人で切盛りしており、健全で力のあるブドウを育てるために、良いと思ったことは徹底的に実践し、とにかく良く働く。そんな彼の仕事っぷりに周りのヴィニョロンも一目置いているようです。

     

    ヴァンサン・マリーのこだわりはHPにも表れています!

     

    情報が分かりやすく網羅され、しかもかっこいい。

     

    ナチュール生産者のHPではなかなかお目にかかれないレベルではないかと。

     

    http://www.vin-nocontrol.fr/fr/

    ⇒「Où trouver nos vins?」のA l’étranger内に【JAPON】発見♪

     

    彼は仲間たちとワインサロンを企画するほど、熱烈なヴァンナチュールのファンだった経緯があります。ワインを先入観なく感じることは大事ですが、自身が飲み手だった頃の経験から、情報は「記憶とイメージ」「自分と飲み手」をつなぐ大切なツールだと考えているようです。

     

    今回4種類初リリースです!

     

    ビュレット ・ダン・タ・テット201 5(ロゼ泡)
    ガメイ90%、シラー5%、ミュスカ、シャスラ5%
    初めて造った、瓶熟18ヶ月以上のやさしい泡立ちのペティアン。

     

    ロカイユ・ビリー2015(赤)

    ガメイ・ド・ボジョレー50%、ガメイ・ド・オーヴェルニュ50%

    隣接した樹齢50年の異なるガメイをアッサンブラージュし、生き生きとしつつ、

    深みのある味わい。

     

    トゥールノエル・ライオット2015(赤)
    ピノノワール100%

    名水地で有名なヴォルヴィック村のDomaine sous Tournoelの借畑で造られる、

    ヴァンサン・マリー唯一のピノ。

     

    ラ・クゥレ2015(赤)

    シラー80%、ガメイ・ド・オーヴェルニュ20%

    セレクション・マサールの若木のシラーと、樹齢80年のシラー&ガメイの混植・混醸で造られています。

     

    ※オーヴェルニュは、同じ畑に複数オーナーがいることが多く、まとまって畑を購入することが難しい産地で、このワインが唯一の自社畑となります。その他は借畑ですが100%自分で畑管理をしています

     

    頭角を現しているどころか、既に世界中から注目されているヴァンサン・マリー。

     

    精密な「ノー・コントロール」は自由と開放を手にし、彼もまた、オーヴェルニュのヴァンナチュール・シーンを語る上で、欠かせない人物になっていくことでしょう♪

    Rock with you!

  • 今月の1枚(フランス/スペイン)
  • 2017.04.04
  • 《ブルゴーニュ》 シャソルネイ&コサール 2015年リリース!
  • ドメーヌ・ド・シャソルネイ&ネゴシアン・フレデリックコサールの新ヴィンテージ、「2015年」がやってまいりました!

     

    フレッドいわく「2015年は、ブルゴーニュでもっとも偉大な年のひとつ。太陽に恵まれ、収穫日も早く1990年の作柄に似ている。近年でいえば、2009年と2010年の良いところを併せ持ったような、素晴らしいミレジム」と、シャソルネイ史上最も偉大なヴィンテージと評価しています!

     

    ワインは全体的に果実味が豊かで艶やか。アルコール度は高めですが、バランスに優れ、長期熟成を予感させるポテンシャルが感じられます。白は厚みがありながらも、フレッド特有の洗練されたミネラル感があり、赤はやや濃い目の色調で旨みがしっかりとのっていていながら、フレッドらしいピュアさが顕著で、バランスに優れています。

     

    2015年は近年稀に見る天候に恵まれた「完璧」なヴィンテージでした。

     

    特にここ数年頻発している霜や雹害、そして雨によるミルデューの被害もなく、また夏は安定した日照量がありながらも猛暑にはならず、ブドウが水分を必要とする8月に適時雨が降ってくれたおかげで、水不足に悩まされることもありませんでした。ブドウの生育は年間通して順調そのもので、その結果、質、収量ともに理想的なヴィンテージとなりました。

     

    今回10年待ち焦がれていた「ジュヴレ・シャンベルタン」が念願のリリースです!

     

    骨格のある男性的なジュヴレ・シャンベルタンが多い中、フレッドのラ・ジュスティスは香りがとにかく華やかで、ずるいほど魅力的なワインに仕上がっています。

     

    ラ・ジュスティスの区画は、ジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュが点在する国道74号線を挟んだ対面に位置し、斜度はありませんが、水はけが良く、粘土と石灰質土壌から、洗練とふくよかさを兼ね備えたワインに仕上がっています。

     

    またボジョレーでは、サン・タムール、ジュリエナ(2014年のみ)に続き、「ムーラン・ア・ヴァン」が初リリースです!ムーラン・ナ・ヴァンはケヴィン、ダミアンは関わらず、フレッド単独仕込みのワインで、樹齢70年のヴィエーユ・ヴィユーニュから、アッと驚くピュアなワインに仕上げています。色は限りなく淡く、バラや若干のオレンジ系果実感、鉄分やスパイス、張りのあるやや重めなミネラル感があい混ざり、どこかプルサールの構成を彷彿させます。

     

    ドメーヌは密度を、ネゴシアンはスケールを感じさせる、

    特別な恩恵を受けた、フレッド史上圧巻のスケール。

     

    2015年を皆様どうぞお楽しみください!

     

    ≪サン・ロマン白コンブ・バザン2015のリリース延期について≫

    現地・日本で試飲を重ねた結果、現時点では本来の味わいではないと判断し、状態が回復するまでリリースを延期する決定をいたしました。じっくり時間を掛けて、皆さまに万全な状態でお出ししたいと考えています。リリースまで長期を要するかと思いますが、お待ちいただけたら幸いです。

     

    必見!フレッドによる2015年ヴィンテージ紹介ビデオ

  • 今月の1枚(フランス/スペイン)
  • 2017.02.20
  • 《ロワール》 la Dive Bouteille 2017
  • 2月5、6日にフランス・ロワール地方ソーミュールで行われたヴァンナ・チュールの

    ワインサロン「la Dive Boutille(ラ・ディーヴ・ブテイユ)」の写真です。

     

    今年でなんと18回目の歴史あるワインサロンで、弊社も10年毎年欠かさず参加しています。地元ロワールの生産者を筆頭に、フランスだけで150生産者、その他の国のワインやビール、コニャックなどを含め、総勢200生産者が出展する巨大なサロンです。また来場者も年々増え続け、煌びやかに装飾された会場の洞窟(カーヴ)内は、有に3000人は超すだろう人々の熱気で溢れかえっています!

     

    ヴァンクゥール取り扱い生産者は以下の通りです♪

    ロワール

    ベルヴュ、ノエラ・モランタン、ローラン・サイヤール、レイナルドエオレ

    アルザス/ジュラ

    カトリーヌリス、ボールナール

    ブルゴーニュ/ボージョレ

    ジャン・ジャック・モレル、カリーム・ヴィオネ、ケヴィン・デコンブ

    ローヌ/ラングドック

    ドゥー・テール、フォン・シプレ、ジミオ

    シードル/ビール

    フォール・マネル、ピジョンネール

     

    また同時期に開催される、ピュズラ、モス、ヴィルマード、ボノーム主催の「レ・ペニタント」にも重要生産者がズラリ!彼らはDiveの席を若手に空けて、2012年から単独でサロンを行っています。

     

    その他、無名の若手集団から成長著しい「レ・アノニム(匿名希望)」、ビオディナミを中心としたクラシカル・ナチュール「サロン・サン・ジャン」も同時開催され、アンジェ一帯は世界各国からヴァン・ナチュールを求めて集まったビジターで大賑わい!

     

    毎年違う作柄、毎年違う表情のワイン、そして少しずつ変化する造り手の感覚。

     

    これらを人混みの中、試飲レベルで理解を深めていくことは容易ではありませんが、忘れられないワインの第一歩は、もうこの瞬間から始まっていると思うと、俄然やる気が湧くものです。

     

    が、しかし、その時必死で掴んだ気になって、こうなるだろうと読みきっても、出来たワインは実際予想と違う結果になることは良くあります。そんな時は「ヴァン・ナチュールは分かった気になっても、分からない。いま目の前にあるものを信じなさい。理解をするのはそこからでよい」と言い聞かせています。お互い生き物同士。なかなか一筋縄では行きませんからね(笑)

     

    ハードな旅であることは間違いありませんが、彼らの「今」を感じられる喜びに期待して、また来年も旅立つことでしょう。

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