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  • 今月の1枚(フランス/スペイン)
  • 2019.07.18
  • 《ロワール》 ミュスカデの「ベル・ヴュー」が約2年ぶりのリリース!
  • ミュスカデのベル・ヴューが約2年ぶり、待望のリリースです!

    2016年は4月25日~27日に突如襲った遅霜、その後のミルデューの蔓延により、収量は例年の80%~90%減と、2009年の取引開始以来初めて日本でミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌがリースできないほどの壊滅的なヴィンテージとなってしまいました。
    また2017年も同様に遅霜とミルデューの被害に遭い、例年の50%~80%減と2年連続でまさかの大幅な収量減となってしまいます。この未曾有の低収量は、生産者のワイン造り存続に関わる事態です。(あと1年続いたら本当に続けられなかったかもしれません)

     

    祈りが通じたのか、2018年は久しぶりに収量に恵まれ、また2019年は3度の霜に襲われながらも、ドラム缶に火を灯し、大型扇風機で暖かい空気の対流を起こし、被害を最小限に食い止めることができました。過去の経験から学び、ジェローム自らの力で遅霜の被害を食い止められたことは、彼の中で大きな自信となり、手応えとなったようです。経営面、そしてブドウ樹にも遅霜の傷跡が残る中でも、生産者は力強く歩みを進めています。生産者の信念と努力が実を結び、無事に今年の収穫が迎えられることを願ってやみません。

     

    写真は3度の霜を乗り越えたジェロームのとびきりの笑顔です♪

    手に持っているのはミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌの畑にあるGabrro(ガブロ)と呼ばれる黒くて丸い斑レイ岩です。ガブロは冷たく保湿性に優れ、また乾燥にも強く、暑い年でも酸とフィネスが感じられるワインに仕上がります。トップキュヴェのガイアはこのガブロ土壌の樹齢75年のミュスカデで、より鉱物的でエネルギーの凝縮が感じられます。

     

    一方谷の対岸に位置するのがミュスカデ・グラニットとシャルドネのラ・ジュスティス。こちらは細かい粘土質の表土の中にグラニット(花崗岩)と少量のシリスが混ざっています。土壌は熱を保ち、ガブロに比べるとふくよかでボリューム豊かなワインが出来上がります。ガブロよりも保温性があり、遅霜の被害は比較的少なく、生育条件は恵まれています。

     

    今回4種類リリースです。

    ◎ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ2017
    ラベルはシンプルに文字だけのデザインに、そして醸造は従来のステンレスタンクに加え、卵型セメントタンクで熟成されたワインが40%ブレンドされています。以前に比べるとアタックが断然やわらかく、塩気を帯びた野太いミネラルのニュアンスとキレのある酸が特徴です。

     

    ◎ミュスカデ・グラニット レ・ペリエール2017
    こちらもセーヴル・エ・メーヌ同様にラベルが一新され、卵型タンクで熟成されたワインが40%ブレンドされています。ペリエール は 畑の区画名 で 『 石 』 の 意味 が あ り 、 表土下 の 母岩 であ る 花崗岩 (グラニット) に 由来 し ま す 。濃密な果実のアロマ、セーヴル・エ・メーヌより硬質で味にメリハリがあります。

     

    ◎ミュスカデ・ガイア2017 

    2012年の初リリース以来、卵型タンクで仕込まれているミュスカデのトップ・キュヴェ!
    通常のタンクと違い構造上⾓がないためワインは常に流動的で、ありとあらゆる⽅向に回転のエネルギーが働くいわゆる「ディナミザシオン」という現象が断続的に起こります。澱が下に停滞するのではなく、常にワインと⼀緒に回転し均等に混ざり合うという点で、ジェロームはミュスカデのようなシュール・リーの醸造にはとても適していると考えています。涼やかなガブロのニュアンスからは想像もつかない、まろやかさとエキスのパワーが感じられます!

     

    ◎シャルドネ ラ・ジュスティス2016 

    ミュスカデもシャルドネもニュートラルな品種である点は共通していますが、ミュスカデは酸化に弱いため密閉タンクを使用し、酸化に耐性のあるシャルドネはイタリア製8hLのアンフォラで熟成しています。※ジェロームのように地上で管理されているアンフォラは特別陶器の目が細かいため、ワインが漏れる心配はないそうです。粘性とわずかに感じる酸化のニュアンス、緻密で洗練されたテクスチャーのあとに残る香ばしい旨味にしびれます!

     

    厳しい収量を乗り越えて、また一段とたくましさを増したジェローム。
    緻密で驚くべきエネルギーを秘めた、絶品のミュスカデをぜひお見逃しなく~!

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