こちらの写真は、霜対策のためにロウソクが焚かれたルネモスのボンヌ・ブランシュの畑です。
今年は4月6日、7日、8日と3日間に渡りフランス全土を覆いかぶさるように大規模な霜が降りました。
この霜により、アルザス・シャンパーニュ・ロワールなどの北フランスはもちろん、
ブルゴーニュ・ジュラ・ボルドー、南のラングドック・ルーションやローヌ・プロヴァンスに
至るまで、広範に渡り被害が及んでいるようです。
2016年、2017年、2019年、そして2021年と、この10年で4回も大きな霜に見舞われたフランス。
今のビニョロンよりも一世代上の人たちにとっては、霜は10年に一度あるかないかくらいの大変
珍しい災害だったそうです。それが、現在はブドウの病気よりもリスクの高い災害になりつつあります。
この3日間、フランス全土の多くのヴィニョロンが霜から畑を守るために不眠不休でロウソクを焚き続けました。
Saints de glace(5月11日~13日)と呼ばれる霜の終わりを告げる日まで、まだまだ安心ができません。
被害がどうぞ限定的でありますように・・・。
こちらの写真は、樹齢141年のカリニャンが植えられているジョン・シュミットのマメットの畑です!
冬の間は、写真のように羊の群れを畑に放ち雑草を食べさせています。畑の中に入ると、至る所に
コロコロとした羊の糞が落ちています。これがやがて畑の肥料となり土壌を豊かにします。
また、畑のまわりの木々は、ジョンの得意とする接ぎ木によって雑木が様々な果物の樹木に
生まれ変わっています。まさにエコシステムがうまく機能した理想的な畑です。
ジョン・シュミットが目指したものはポリカルチャー。つまり、各土地に適した作物や樹木を
選択し植え育て動物と共存する複合型農業でした。ブドウの生産量のために化学肥料や農薬に
頼るモノカルチャーに異を唱え、もっとマクロな視点から持続可能な農業を目指していました。
だが残念ながら、志半ばにしてやむなくドメーヌを閉めることとなり、
今回リリースする2015年のワインがラストヴィンテージとなります。(涙)
自然をこよなく愛したジョン・シュミットが手塩にかけた最後のワイン!
どのワインも温かみが伝わってきます!どうぞお見逃しなく~
今月の1枚の写真は、ヨシがレイナルドのカーヴで試飲した
ランスミ・デュ・ヴィラージュとリヴ・ドロワットです。
左から、リヴ・ドロワット2017、ランスミ2017、こちらは今回リリースする新ヴィンテージ!
そして左から3番目は旧ラベルのランスミ2009、一番右端は旧ラベルのリヴ・ドロワット2010です。
レイナルドが特別にバックヴィンテージを開けてくれた理由は、まず今回リリースする
ランスミ2017と2009の味わいのタイプが良く似ていること、そしてランスミ2009と
リヴ・ドロワット2010はヴァンクゥールが初めて日本にリリースしたヴィンテージだからです。
ランスミ2009とリヴ・ドロワット2010を飲んでまず驚いたのは、こなれた果実味の柔らかさが
ありながらも、味わいに全く歳月を感じさせないことでした。まだまだ若さと安定感があり、
あと10年は優に熟成に耐え得るポテンシャルがあります。
彼のワインが長熟であるのは以前から分かっていましたが、これほどのポテンシャルが
あるとは全くの想定外でした!
きっと今回リリースの2017年も同じように熟成していくことでしょう!
今飲んでも美味しいですから、今から飲むも良し、
または熟成させ育てるのも良し!ぜひ堪能下さい♪
こちらの写真は、巨匠ジャン・フォワヤールの宝箱のようなラインナップです!
一番左のアリザリーヌ2019 は、フランボワーズやバラのような甘く官能的な香り、
ボジョレーらしい明るくジューシーな果実味、繊細な旨味、そしてミネラルとが
絶妙な塩梅で融合しております♪♪お勧めです!
そして一番右のAC モルゴン・キュヴェ・アタノール 2015(赤)
恐らく最初で最後のキュヴェとなるジャンのスペシャル・キュヴェ「アタノール」!
本来は右から2番目の人気ワインコート・デュ・ピィのヴィエーユ・ヴィーニュ
「キュヴェ3.14」となる予定でしたが、2015年は太陽に恵まれブドウの潜在アルコール
度数が17度まで上がり、ジャンのイメージするキュヴェ3.14のキャラクターとは全く
かけ離れたため特別キュベとなっています。
今開けるのが非常にもったいない…
できれば10年後の姿が見てみたいモンスター級のワインとなります♪
写真は、ル・クロ・デゥ・テュ・ブッフのティエリ・ピュズラと本邦初リリースとなる
ACトゥーレーヌドリアのワイン名ともなったドリアたち。
ドリアはDolium(ドリウム)の複数形で、ラテン語で炻器で作った容器という意味があります。
ティエリの右隣にあるドリアはスペイン産で18世紀に作られたものに対し、
その右隣にある大きなドリアは最新のイタリア製です。
見た目は異なりますが、素材はほぼ同じGres(砂岩)とシリスで作られています。
焼成温度が1200℃~1300℃と800℃前後で焼かれるジョージアのアンフォラよりも高温で焼かれ、
素地がアンフォラよりも緻密で浸透性がないのが大きな特徴です。
浸透性がない分、出来上がるワインもフレッシュかつミネラリーで透明感があり、
限りなくクリスタルで、ティエリ自身ACトゥーレーヌドリア2018は最初からイメージ通りの
仕上りのワインが出来たと使い勝手を絶賛しています!
6回目の仕込みとなるクヴェヴリ2018は、樽のように酸素を取り入れる浸透性の高い
土器の特徴を生かしたジョージアの醸造スタイルに変更しました。クヴェヴリの容器に
ワインが負けないよう、しっかりと完熟させたパワフルなソーヴィニヨンを使い、
クヴェヴリの良さを最大限に引き上げています!
トゥーレーヌのソーヴィニヨンが、2つの異なるアンフォラにより全くスタイルの
異なるワインに仕上がっています!それぞれの魅力をどうぞお楽しみください♪