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  • 今月の1枚(フランス/スペイン)
  • 2019.03.14

《ノルマンディ》「フォール・マネル5代目党首 ジュリアン・フレモン!」

  • 《ノルマンディ》「フォール・マネル5代目党首 ジュリアン・フレモン!」
  • 写真はジュリアン・フレモンとクリスマス翌日(12月26日!!)に収穫されたリンゴです。

     

    2018年は10月の収穫時でも気温が下がらず、早熟品種のリンゴは腐敗が早く大変だったようですが、一方で、晩熟品種は、11月に急に寒さが訪れたため、リンゴの成熟を待てるだけ待った結果、最後の収穫日がクリスマス翌日とりました。これは例年より1ヶ月も遅く、極めて稀な年のようです。

     

    手前にある赤黄色のリンゴ「ジュリエナ」は食用品種で、甘さが特徴の晩熟品種
    ※普段は大きさがこれの15倍ほど、夏から冬にかけて常に水不足だったため小ぶり

     

    右手にある黄色いリンゴ「ルネマルタン」はシードル用の品種で、震え上がるくらい酸味が強い
    ※ジュリエナ同様、実が小さく凝縮しているので、例年よりも甘味がある

     

    奥中央の小ぶりの赤いリンゴ「サンマルタン」はシードル用の品種。甘みと渋みが特徴
    ※主にアルジルに使われることが多い

     

    これらはもうすでに1週間木箱に入れ天日干ししていて、その後屋根裏部屋が涼しければ、約1ヶ月間陰干しを行います。※屋根裏の室温が高い状態で陰干しするとリンゴが腐りやすいため、屋根裏の陰干しは涼しいときに行い、反対に温かいときは天日干しを重視するようです

     

     

    さて、昨今フランスのヴァンナチュールにおいて、ぶどうとはまた異なる個性を持ったシードルが注目されており、また近年のぶどうの収量不足もあり、シードル造りがワイン生産者の身近になってきているようです。

     

    弊社取り扱いのレ・カプリアードのパスカル・ポテールも収量不足の緊急事態に備え、トゥールから北へ約50キロの農家から果樹を調達し、試作段階ではありますが、シードル、ポワレを造っています。ノー・コントロールのヴァンサン・マリーは出身地ノルマンディの郷土飲料であるシードルをデビュー当初から造りたいと思っており、昨年リリースに至りました。(ちなみに彼はジュリアンからシードル造りのアドバイス得ていたそうです)またノルマンディ、ブルターニュ、バスクのリンゴ産地では、ヴァンナチュールと同じ思想を持ったシードルリーが徐々に増えているようです。

     

    歴史を紐解けば19世紀後半にフィロキセラによりぶどう栽培が追い込まれたときに、リンゴの果樹園が増えたようで、ぶどうとリンゴの密接な相互関係はその頃から続いているようです。どちらも身近な果樹でアルコールに適していますからね。

     

    また日本においてもリンゴ産地のワイナリーがシードルを造るケースも増えており、現在約70ヶ所以上で製造されているようです。ここ1~2年でシードルの書物も続々出版されており、まだまだ伸びそうな勢いです。

     

    これまでのシードル=甘くて飲みやすいイメージから、リンゴそのものの香り、糖分、酸度、渋み、旨味にフォーカスした本格派が増えたことにより、気軽な味わいのものから、高い表現力を持ったものまで、シードルはバラエティに富んだお酒へとステージを変えています。また低アルコールかつ、手頃な価格で手に入り、アペリティフ、食中酒、デザート、食後酒とオールマイティに楽しめるお酒ゆえ、世界各国で躍進を遂げているのだと思います。

     

    広く、深いシードルの世界。

    と、その中でもやはりジュリアン・フレモンが造るシードルは、素朴な味わいながら異彩を放っています。リンゴの果実感が濃く、皮や芯の味と旨味がしっかり感じられ、リンゴをそのまま閉じ込めたかのような「芳醇なリンゴ感」にいつも驚かされます。豊かな甘み、酸味、渋み、旨味が渾然一体となった、低アルコール類で最高の表現力を持ったお酒ではないかと思います♪

     

     

    フォール・マネル(ジュリアン・フレモン)のポイント

    ◎1765年から続く伝統のある生産者。当主ジュリアン・フレモンは5代目

     

    ◎昔ながらの土着品種

    - クセがあったり、甘みが強い、酸が強いなど、はっきり個性のある品種をシレックスとアルジルの土壌ごとに植樹し、りんごは複数ブレンドし仕込まれる
    ※写真をご覧いただくとお分かりになると思いますが、リンゴは手のひらサイズで小さいです
    (シレックス、アルジルのラベルに写真が描かれています)

     

    - りんごは樹齢が高く(150年以上の樹齢もある)凝縮感が強いが、収量は少ない

     

    - 牛(食牛:リムーザン系)との共生により、畑の微生物が豊か

     

    ◎リンゴは基本屋根裏で陰干し(時により天日干し)

    - 250年の屋根裏での陰干しにより、微生物が豊富で、1ヶ月間の屋根干しにより、リンゴの水分が抜け、醗酵してクシュクシュになり、エキスがギュッと凝縮した状態でプレスされる

     

    ◎昔ながらの大樽使用

    - 40hL、60hLの大樽(もしくはファイバータンク、小樽)で醗酵開始

    - その後澱引きを繰り返し、ブレンドして、So2無添加で瓶内醗酵

    - 瓶内醗酵6ヶ月+αを経てリリース

     

    今回2017年が3種類入荷です!

    全体的に例年より少し力強い印象です。
    爽やかなシレックス、ねつとりアルジル、滋味深いパー・ナチュール、

    春野菜と共に春のやわらかい日差しの中で飲めたら、もうルンルンです~♪

     

    ジュリアンのシードルの旨さに250年の歴史あり!!
    どうぞお味見ください~☆

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