写真はスペイン・カタルーニャ地方「マス・ベルトラン」が所有するヴィエーユ・ヴィーニュのチャレッロの畑です。土壌は一見白く見えるため石灰質土壌かと思いきや、実際は砂まじりの粘土質。チャレッロはこの粘土質土壌と暑い気候に適しており、今回リリースの上級キュヴェ「アルジラ」はこの樹齢60年を超すチャレッロ100%で造られています。
※「アルジラ」はカタルーニャ語で「粘土質」の意味
今回リリースの「アルジラ2011」は58ヶ月の瓶熟成を経てデゴルジュマンを行っており、チャレッロ特有の滋味あふれる渋みと、心地よいほろ苦味、はっきりとした酸、そして熟成感と繊細で深みのある泡の質感が見事に調和しています!穏やかなアタックから、集中力の高い味わいに引き込まれ、飲むごとに魅了されていきます♪
一方の「バルマ2013」は32ヶ月熟成を経ており、その充実感、完成度は近年稀に見るレベル!芳醇な果実のアロマと香ばしい風味、骨格とスケールをもたらす、潮気を帯びたミネラリティ、熟成からくる旨味のまとまり。申し分ないです♪
どちらもドザージュなしの辛口で、ブドウの風味、個性が冴え渡ります!
さてバルマは今回から(アルジラはタイミングが間に合わず次回から)
DO Penedès「Clàssic Penedès」としてリリースされることになりました。
DOカヴァは従来地域ではなく「製造方法(泡)」に対する認証で、同じ醸造所で、DOカヴァで認定する品種以外のワインと、カヴァを一緒につくってはならならい条件があり、彼らは、土着品種で絶滅危機にある品種「スモイ」で2010年からロゼスパークリングを造り始めたため、これが抵触しDOカヴァが申請できなくなってしまいました。
そのような変化の中で、より品質の高いスパークリングを造る生産者たちが相次いでDOカヴァを抜け、DOペネデスに呼称変更する流れが派生し、マス・ベルトランはより品質の高い泡造りを目指す他の生産者たちと共に働きかけたこともあって、2014年より、DOペネデスの中で新たなスパークリング認証「Clàssic Penedès」が誕生しました。
「Clàssic Penedès」と記載できるには、基本の条件が3つ
①100%オーガニック
農法までを条件にしているのは世界初!
②100%ペネデス地域のブドウを使用
カヴァでは認められていない土着品種など使用可!
③瓶熟成期間が最低15ヶ月以上
カヴァの9ヶ月以上より半年長い、最低15ヶ月以上!
彼らが選んだ、クオリティへの信念と土着品種回帰を形にした「Clàssic Penedès」が、今後のスペイン・スパークリングの道を切り開くと信じて疑いません!
(その意識は他国にも影響を及ぼすことでしょう)
スペイン・スパークリング新時代の幕開けを、今回のマス・ベルトランで
ぜひ実感してくださいませ~!