ニュース

  • 今月の1枚(フランス/スペイン)
  • 2019.05.16

《オーヴェルニュ》
「ルナール・デ・コート」が3ヴィンテージぶりのリリース!

  • 《オーヴェルニュ》 「ルナール・デ・コート」が2年半ぶりのリリース!
  • 写真はルナール・デ・コートのガメイ・ド・オーヴェルニュの畑です。
    中央に見える黒い建物は火山から切り出された2つの塔を持つ「ノートルダム・ド・ラソンプシオン大聖堂」で、この畑からクレルモン・フェラン市街を一望することができます。畑はご覧のように宅地に囲まれており、ブドウ畑としてはコンパクトでですが、このような畑がクレルモン・フェラン市内3箇所に点在しており、それらを合わせてクラポー・ノワールは造られています。

     

    クレルモン・フェランはフランス中央に位置するオーヴェルニュ地方最大の街であり、またミシュランの本拠地としても知られています。ここ一帯のブドウ畑は当時ミシュランで働く移民により開墾され、彼らにより植樹されたガメイ・ド・オーヴェルニュは、今では樹齢100年を超す貴重なブドウとなっています。しかし残念なことに中⼼街を⾒下ろすこの⼩⾼い丘のエリアは、ここ近年ブドウ畑を高級住宅地に変える計画が粛々と進んでいるようで、ティエリが言うには写真の畑も宅地計画があり、将来消滅の危機にあるそうです。

     

    さて今回ルナール・デ・コートのワインが実に3ヴィンテージぶりにリリースとなります。
    前回リリースの2013ヴィンテージは白のみで、オーヴェルニュのブドウがミルデューによりほぼ全滅してしまったため、南仏のヴェルメンティーノを買い、初めて南仏ブドウでワインを造りました。ワインはオーヴェルニュのシャルドネに通じる濃密なエキスとシャープネスが感じられ、その出来栄えから今後のネゴスの展開に大いに期待していました。

     

    しかし2014年はショウジョウバエ「スズキ」の大量発生、2015年は雹の被害と乾燥と、非常に厳しい収量だったにもかかわらず、「潰れては元も子もないが、苦しくてもドメーヌだけでワインを造る」というポリシーから、ティエリはきっぱり南仏のネゴスを止めてしまいました。恐らく彼の性格的に今後の再開はないかと思います。

     

    今回赤ワインが2種類リリースです。

    ◎ルナール・デ・コート2016
    なんと11年ぶりのリリース!
    クレルモン・フェラン以外のブドウをブレンドして造られ、「ダンス・アヴェック・ル・ムー」のブドウがメインとなっています。ワインは1樽にも満たなかったため、醗酵・熟成は樽で行い、醗酵終了後は酸化を防ぐためステンレスタンクに移し熟成させています。みずみずしく赤い果実のエキス満載

     

    ◎クラポー・ノワール2016
    クレルモン・フェランの全てのガメイ・ド・オーヴェルニュをブレンド。生産量は2樽のみ。

    ブドウの完熟を待った結果アルコールは14.5%。深煎りコーヒー豆のコクと黒系果実の凝縮感、石灰質土壌に由来するストラクチャーがあります。熟成させて真価を感じたいワイン

     

    クラポー・ノワールのあるクレルモン・フェランは標高350mの盆地にあり、

    一方ルナール・デ・コートは盆地周りの山地に位置するため、100mほど標高が高くなります。

    当地はシェーヌ・デュ・ピュイ(標高1500mのピュイ・ド・ドームを含む休火山群)により雨雲の影響を受けにくく、通年雨が少なく乾燥しており、また夏季は雹害や雷雨が起こりやすい起伏の激しい天候のため、基本低収量の産地となります。

     

    ルナール・デ・コートのワインは、主に地元のクレルモン・フェランで流通しており、パリでも滅多にお目にかかれません。そう考えると日本での流通はまさにミラクル♪

     

    今回も極少量入荷となり、また次のリリースは未定となります。
    ぜひこの機会をお見逃しなく~!

  • 最新の記事

  • 月間アーカイブ